三宅 康太さん

活動は地道でも、ビジョンは大きく。

2017年の早春、大芦高原キャンプ場のオープンに備えてプレゼンの資料を作り、草刈りの手伝いに奔走し、消防団の訓練に加わり、初めてチェーンソーの使い方を教わっている三宅康太さんは、2016年に関西学院大学を卒業するまで、山の男ではなくて海の男だった。
大学時代はウィンドサーフィンのサークルに所属。サークルとは言っても2年先輩に全国優勝した選手もいるという強豪で、そんな中、三宅さんも年間300日は海にいるという大学生活を送っていた。

この写真は絵作りしたのではなく、本当にこうしてオフィスを抜け出して、キャンプ場で事務仕事をすることが多いのだという。

この写真は絵作りしたのではなく、本当にこうしてオフィスを抜け出して、キャンプ場で事務仕事をすることが多いのだという。

卒業後は証券会社に就職。
「世の中を明るくする仕事に就きたかったんです。特に金融の方面から。明るくするために、必要なところへ投資をする仕事を覚えて、いずれ独立して活動したいと考えていました」
三宅さんの考える〝明るい世の中〟とは、〝みんなが笑って暮らせる世の中〟。ところが言うまでもなく、今は少子化、年金制度への不安、所得格差の広がり、などなどにより、誰もが将来に不安を抱えており、明るい気持ちにはなれずにいる。それを金融の技術を使って変えられないかと。

慣れない仕事が多いけれど、毎年300日は海に出ていたので、体力的には問題なしです。

慣れない仕事が多いけれど、毎年300日は海に出ていたので、体力的には問題なしです。

「消費する一方の都市型の生活を続けている限り、その不安から抜け出すことはできませんよね。必要なものはおカネがないと手に入らない。だから不安な将来のために誰もが今は我慢をする、無理をする。だったらそこから抜け出して、おカネ以外のものの価値を高められないか。それが長い間、ずっと抱えていた僕の興味でした。じゃないと、富裕層の人しか幸せになれませんからね」
そんなことを考えながらも、現実は個人投資家への営業に回る毎日。そんな中、ネットを眺めているうちに『英田上山棚田団』のウェブサイトに出合う。

サッカーをやっていた子どもの頃から、キャンプが好きでした。上山のニンニクで作るアヒージョは、ホントにうまいっす。

サッカーをやっていた子どもの頃から、キャンプが好きでした。上山のニンニクで作るアヒージョは、ホントにうまいっす。

「会社員の生活も無駄とは思いませんでした。でも、そのまま会社にいて独立の準備をするよりも、上山で今すぐ実践した方が、より早く、いろいろな技術が身につくと思えたんです」
そして2016年の夏、初めて上山の見学にやって来る。
「活動は地道なのに、皆さんのビジョンが大きいんですよね。この人たちブッ飛んでるなぁ、というのが第一印象でした。机の上での議論ばかりではなく、草を刈りながら、地に足をつけて活動しているようすがカッコいいんですよ」
真実は細部に宿る。小さな地域だからこそ、地域の課題を解決しやすい。それがモデルとなって、日本中の多くの地域に広がって行けばいい。そんな『上山集楽』や棚田団の活動理念は、三宅さんが目指していたことと見事に重なった。

雪の降った翌日、キャンプ場を案内してくれた。「杉の木に囲まれたサイトでは、ハンモックテントを使いたいんですよ」

雪の降った翌日、キャンプ場を案内してくれた。「杉の木に囲まれたサイトでは、ハンモックテントを使いたいんですよ」

「慣れない仕事ばかりですが、年間300日も海で過ごしていたのでカラダはついて行けます。何より、地元のお年寄りたちが同じ仕事をしていますからね。上山のお年寄りたちの体力はすごいです」
農業や林業という、まったく予想しなかった方向に生活が向かうことにも全く抵抗はない。むしろ、これが人として自然な姿だと思えるようになったと言う。
「自然とともに暮らす、と言ってしまえばありふれた言い方になるけれど、こういう生活の意味をわかりやすく翻訳して、都市型の生活をしている人たちに伝えることも仕事かな、と、今は思っています」

賑やかなメンバーが多い中、寡黙な印象の三宅さん。しかし、よく笑うところは、やはり上山的。

賑やかなメンバーが多い中、寡黙な印象の三宅さん。しかし、よく笑うところは、やはり上山的。

2017年4月より、『大芦高原キャンプ場』の管理・運営を、『上山集楽』が行うことになった。もともと地元のお年寄りが運営し、近郊でも人気のキャンプ場だったものが、ご高齢により閉鎖されていたキャンプ場だ。
その新たな使い方を三宅さんが美作市に提案し、任されることになった。上山に移住して半年で、キャンプ場の経営者になったわけだ。もともとキャンプが好きなので、自ら願い出てプレゼンの資料を書き上げたという。
「地元の仲間と一緒に、まずはキャンプ場の整備から取りかかります。人を呼ぶために新たな施設を作るのではなく、今あるいいものの魅力をいかに引き出すかが大切ですよね。そのためにも、ここはとてもいい施設です。お客さんには上山でいろいろ体験してもらって、それを街に持ち帰って、再び足を運んでもらう。そんな施設にしたいと思っています」

キャンプ場でお待ちしております!

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