日本酒

日本酒の常識を塗り替える、上山産、
美味しい日本酒。

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棚田の再生活動が始まって以来、2015年までに作付け可能となった水田は約5ヘクタール。10トンの米を収穫できるまでになったという。重さで言われるとわかりにくいけれど、10トンの米は60㎏の米俵にして約167俵分。たしかに棚田は息を吹き返したのだ。
しかし現在の米価では、集荷業者への卸価格が一俵あたり1万円前後。これでは『上山集楽』総出で取り組んでも年間167万円。この収入だけでは、棚田再生の活動を支えて行くことは難しい。

美味しくできたお米に、さらに価値を与える酒造り。

幸い、無肥料・減農薬で作られ、手間のかかる天日干しで乾燥される上山の棚田米は、発売当初から高い評価を得てきた。2012年に発売された棚田米は大手コンビニチェーンのクリスマス特選ギフトにも選ばれ、この年の一俵当たりの値段は17万7000円。早くもブランド米としての評価を獲得している。

これは初代の『上山集楽 純米酒』。フルボディな印象ながらもキレがよく、後味が爽やか。上山に来ないと飲めない(かもしれない)幻の酒。

これは初代の『上山集楽 純米酒』。フルボディな印象ながらもキレがよく、後味が爽やか。上山に来ないと飲めない(かもしれない)幻の酒。

だったら、この美味しいうるち米で清酒を造ったらどうだろう? と思いついたのは『上山集楽』のエンジン、西口和雄さん。もともと美作市は「どぶろく特区」であり、お酒の製造が許されている地域でもあるのだ。

大切に作ったお米だから、無駄に磨かずに使い切りたい。

「僕らにはおカネはないけど米があります」
棚田団が20俵、一升瓶にして1000本分の米を用意したところ、呼びかけに応じてくれたのは、滋賀県にある酒蔵だった。さらに地元美作市の老舗旅館からは、出資の申し出が届く。
手間のかかる方法で、大切に育てた美味しい棚田米。だったらお酒も美味しいに決まっている。磨いた酒だけが高級であるという常識を破ろう! ということで、精米歩合65%の清酒造りに取り組んだ。

古くから続く酒蔵の手作業による寒仕込み。上山ではライスワインと名乗り、製造年を入れ、年ごとの味の違いを楽しむ趣向を取り入れている。

古くから続く酒蔵の手作業による寒仕込み。上山ではライスワインと名乗り、製造年を入れ、年ごとの味の違いを楽しむ趣向を取り入れている。

こうしてできあがった清酒には、一升瓶一本一万円の値がついた。これを出資者である旅館と棚田団で500本ずつ分配。旅館は客に提供し、棚田団は一部を販売しながら、視察で来た人の試飲、あるいは贈答用に使うなどにより、口コミでの評価を高めて行く。

こうして始まった酒米作り。名付けて「上山田錦」。

この「幻の酒」が噂となり、やがて地元岡山県高梁市の酒蔵から「酒米の山田錦を作ってくれないか?」という依頼が舞い込む。もちろん減農薬・無肥料の上山流を貫き、価値のある酒米を造らなくてはならない。ただし前回の老舗旅館のような出資者がいないので、その資金は広く一般からファンドとして出資者を募ることになった。

2016年も上山の山田錦、『上山田錦』の苗が順調に育ってくれますように。

2016年も上山の山田錦、『上山田錦』の苗が順調に育ってくれますように。

この年、ひと口30万円のファンドには、10名の出資者が現れた。手間のかかる上山流で作った酒米に、生酛仕込みという難しい製法。だからこそボトルに製造年を入れて、ワインのように年ごとの味の違いを楽しむ趣向を取り入れることにした。

資金は広く出資者を募り、幻の日本酒でお返しする。

「この酒は、この酒蔵が所有していた『㐂(き)』というブランドで作りました。精米歩合も「七」を三つ合わせた77.7%です。この酒を飲んだ人には、酒の味を決めるものは広く知られたブランドや、精米歩合だけではないことに気づいてほしいんです」
と西口さん。
そして2015年、出資者のもとに50本ずつの清酒が届けられた。「2016年もの」もできあがり、現在、出資者のもとへの発送が続いている。
さらにファンが増えればファンドの口数も増やせる。口数が増えれば田んぼが守れる。さらに田んぼを増やして棚田の景観や地域を維持することもできる。無借金経営が前提の棚田再生のために、上山の清酒が大きく育ってくれることを願うばかりだ。

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上山集楽

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