雲海

上山ならではの大パノラマ、
雲海

雲海

上山には主に秋から冬にかけての寒い季節にのみ、お目にかかれる風景がある。この時期に上山を訪れることがあったら、早朝5時〜7時頃、集落の中でも標高の高い大芦地区を目指してみてほしい。
大芦には、地区内のほぼどこからでも目に入る謎の鉄塔が建っており、その周囲は見晴らしのよい展望所になっている。運がよければ、この場所から眼下一面「雲海」に覆われた、幻想的な光景を見ることができるだろう。

雲海2

大芦池から車で5分ほど上ったところにある「北浦展望台」。

日によってさまざまな顔を見せる雲海。

日によってさまざまな顔を見せる雲海。

雲海が発生しやすい地形

雲海は、昼間に暖められた谷間の地面付近の熱が、夜間の放射冷却によって冷やされて霧になり、雲になることから起きる。山間部や盆地など起伏のある地形で発生しやすく、地表と気温の温度差が高くなる10月~2月頃に多く見られる。とくに風が少なく、湿度の高い、よく冷え込んだ朝、と三つの条件が揃った時に起こりやすい。
山の空気は水蒸気をたっぷり含むため、湿度も高い。上山は標高519メートルの妙見山の北斜面に位置し、7つの集落が200〜400メートル級の山々の間に点在する。まさに雲海ができるのにもってこいの地形なのだ。

桜の時期に濃い霧が発生することも。

桜の時期に濃い霧が発生することも。

大芦地区へ上らずとも、各集落で濃い霧の中に田畑の浮かび上がる山水画のような光景を見ることもできるが、やはりじっくり雲海を眺めるなら、前述の鉄塔にのぼることをお勧めしたい。雲海に朝一番の陽の光が差し、雲が晴れ上がっていく様は、いつまで見ていても飽きない。

陽の光

大芦の謎の鉄塔、「善ちゃんの展望台」とは

先ほどから話に出ている鉄塔にはとくに標識などが出ていないため、初めて訪れた人は、勝手に上ってもよいものかと辺りをキョロキョロ伺うことになるだろう。だが、心配はいらない。この塔は、誰もが上山の景色を楽しめるようにと建てられたもので、なんと個人の所有物なのだ。
かつての大芦村に生まれ育ち、この地に並々ならぬ愛情をもち続ける、高橋善一さんがその持ち主。

集落の人たちから「善ちゃん」と親しみを込めて呼ばれる愛されキャラ、高橋善一さん。小柄ながら昔から考えることのスケールの大きい、行動力の人だ。

集落の人たちから「善ちゃん」と親しみを込めて呼ばれる愛されキャラ、高橋善一さん。小柄ながら昔から考えることのスケールの大きい、行動力の人だ。

子どもの頃、山の中から見える雲海をよく眺めていたという善一さん。大人になり、建築土木の事業で成功した暁にこの眺めを多くの人に見てほしいと持ち山を切り拓き、鉄塔を立てて「北浦展望台」と名付けた。
「この風景は、上山の誇りじゃからな。ここへ上がると下界で嫌なことがあっても、気持がすぅーとしてな。どんなことも些細に思えて、よしまたやってやろうという気持になるんですわ」(高橋)

たとえ雲海が見られずとも、晴れてさえいれば、この鉄塔からは素晴らしい眺めを望むことができる。美作市全体はもちろん、遠くは鳥取の大山まで見渡せる。

たとえ雲海が見られずとも、晴れてさえいれば、この鉄塔からは素晴らしい眺めを望むことができる。美作市全体はもちろん、遠くは鳥取の大山まで見渡せる。

ちなみにこの鉄塔で上がることができるのは4階まで。そうとは知らずに最上階までのぼってしまうと、おもむろに「高橋善一」の標札が掛かっていて面食らう。ここは…家なの?じつは扉の向こうは善一さん専用のプライベート空間。ここまで来てしまうと戸の向こうはどうなっているのか好奇心をかき立てられるため、今回特別に、本人にお許しをいただき、中を見せていただいた。

三面ガラス張りの大パノラマ!まるで空の上にいるような気分に浸ることができる。運よく善一さんが居合わせれば、この眺めを見せてもらえるかもしれない。ここに寝泊まりできるようにもなっていて、男の道楽極まれりといった印象。

三面ガラス張りの大パノラマ!まるで空の上にいるような気分に浸ることができる。運よく善一さんが居合わせれば、この眺めを見せてもらえるかもしれない。ここに寝泊まりできるようにもなっていて、男の道楽極まれりといった印象。

善一さんの話によれば、かつてはこの大芦付近にまで棚田が広がっていて、人びとは働くために大芦まで歩いて上ってきていた。地元の人たちにとっても、この景色をゆっくり楽しめるようになったのはここ数十年の話だ。

今では大芦高原に「雲海」の名を冠した温泉もでき、バンガロー(宿泊所)やテニスコート、グラウンドゴルフ場などを備えた一大レジャー施設になっている。

今では大芦高原に「雲海」の名を冠した温泉もでき、バンガロー(宿泊所)やテニスコート、グラウンドゴルフ場などを備えた一大レジャー施設になっている。

上山で雲海のパノラマを堪能したあと、温泉で汗を流す。せっかく上山を訪れたなら、そんな贅沢な楽しみ方があってもいい。

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